2015年7月12日日曜日

道路緊急ダイヤル

道路緊急ダイヤルをご存じであろうか。

日本全国 #9910 で、道路管理者に電話が繋がり、道路の不具合を報告できるものである。人生でこれまで3回電話したことがある。

1回目は、国道を走行中に、ガードレール(中央分離帯)が走行車線側に50cmぐらいはみ出ているのを走行中に気づき、そのまま電話したものである。ハンズフリー通話ができるので、すぐに電話した。しかし、そのときは、道路緊急ダイヤルの番号をしらなかったので、110番通報した。

もし、後続車が飛び出ている中央分離帯に接触したら、大事故に繋がりかねない。警察に電話したので、当初は担当が違うとたらい回しにされそうになったが、緊急を要すると説得し、担当者にメモしていただき、その担当者から道路管理者に通報をお願いした。

その後、道路緊急ダイヤルの電話番号を、携帯と車のナビに登録した。

2回目はそれからあまり間が空いていない時期の通勤時間帯。高松でも交通量が多い、上天神交差点において、前の車両が荷崩れを起こしたのか、タイルカーペットのようなものが交差点内に転がっていた。前回に比べて緊急性は低いかもしれないが、気づいたら誰かが通報しなければと思い、連絡した。その日の帰宅時間に見てみたら、なくなっていたので、片付けられたのだろう。

3回目の今回は、7/9の朝。とある構造物の管理者から構造物の不具合の相談を受けていたので、現場を調査してから通勤しようとして、小一時間の調査が終わったときであった。

小さな市道であるが、側溝のようなものを塞いでいる金属のふたが数センチずれて、開口部ができていた。しかし、その開口部の方向が悪く、幅数センチ、長さ50センチほどの細長い開口部が、道路の左側に、道路の長手方向に平行に開いていた。

開口の状況


空き缶の大きさと比較 


閉めた状態

これは、自転車がもしはまったら、大けがをするような開口部である。

私の職業は土木工学で、土木構造物、とりわけ道路の専門家であるが、そんなの関係なく、大人として看過できない開口部である。幸い、大人が持ち上げればずらせることができる重さだったので、すぐに直した。

ただし、すぐに直せるということは、軽いということの裏返しであり、車両が通ったら再度ずれることは明かであった。そこで、前述の道路緊急ダイヤルに電話。

冒頭は自動応答サービスで、高速道路上か否かのチェックが入り、回されたのは一般道の担当者のようであった。カクカクシカジカ説明し、担当部署に見に行ってもらうことになった。ということで、一市民としての義務を果たした。

その場を直すとというところで終わる人が多いのではないだろうか。これは明らかに構造的に、欠陥のあると見なすことができる。蓋状のものは、マンホールしかり、容易に、動いてはならない。


この場所は、たまに通るので、今後どうなったのか、追跡調査をしてみたい。ただし、通報を受けた市(多分市道だと思うので)の土木職員が、大丈夫と判断してしまったらどうなるのだろうか。そこで初めて、土木技術者としての動くべきところだろう。


さて、このような通報というのは、私は市民としての義務だと思う。義務というと、反発があるかもしれないが、そもそも、全てお役所、お上がやってくれると思うのが間違いであり、少なくとも担当部署に対して、フィードバックすることは、市民としての義務だと思う。


全く不具合が起きないように四六時中全てのモノに対してパトロールするほど、お金や人は潤沢でないはずだし、そこまで税金を負担するつもりはない。今回の場合、路面の状況にまで気づかない子供が犠牲になる可能性が高いと思われる。大人なら、危ない、とひょいっとよけることができるかもしれない。

日本各地で、道路の点検技術者の育成や、市民を巻き込んでの道路の管理、道路の清掃、を行っているところもあるが、それに通じると思う。こういった不具合を、不具合であると認識するための教育活動は必要であり(今回の場合は、ちょっとした想像力、の範疇とは思うが)、そういうことを先導するのが土木技術者の役割のひとつであろうと思う。

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